履歴書は手書き?パソコン?結論と正しい選び方を解説

「履歴書は手書きがいいの?それともパソコン作成?」

就職・転職活動で多くの人が一度は悩むこの問題。昔は手書きが常識とされていましたが、今では状況が大きく変わりました。間違った選択で評価を下げてしまわないか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、履歴書作成の専門家として、手書きとパソコン作成のどちらを選ぶべきか、その結論と根拠を分かりやすく解説します。それぞれのメリット・デメリットから、企業や状況に合わせた最適な選び方、さらにはパソコンで作成した場合の正しい印刷方法まで、あなたの疑問にすべてお答えします。

この記事を読めば、もう履歴書の作成方法で迷うことはありません。自信を持って応募書類の準備を進められるよう、一緒に確認していきましょう。

【結論】履歴書はパソコン作成が基本

結論から言うと、現在の就職・転職活動において履歴書はパソコンでの作成が基本です。 企業の指定がない限り、パソコンで作成した方が多くのメリットを享受できます。なぜなら、採用担当者の多くがパソコン作成の履歴書を受け入れており、効率性や読みやすさの面で手書きよりも優れているからです。

採用担当者の9割がパソコン作成を許容

近年の調査では、採用担当者の約9割がパソコンで作成された履歴書を許容しているというデータがあります。 「手書きでないと熱意が伝わらない」という考え方は、もはや少数派です。

むしろ、ITスキルが必須とされる現代において、パソコンで整然と作成された書類は「基本的なPCスキルがある」という証明にもなります。手書きに固執するよりも、内容を充実させることに時間を使いましょう。

効率性と読みやすさでパソコンが有利

パソコン作成は、手書きに比べて圧倒的に効率的で読みやすいという大きな利点があります。

  • 作成・修正が簡単: 書き損じてもすぐに修正でき、複数の企業に応募する際も基本情報を流用できるため、大幅な時間短縮につながります。
  • 誰が読んでも読みやすい: 手書きの文字は個人差が大きく、人によっては読みにくい場合があります。一方、パソコンで作成された履歴書はフォントが統一されており、誰にとっても読みやすいです。
  • 論理的・知的な印象: レイアウトが整った文書は、採用担当者にスマートで論理的な印象を与えやすくなります。

これらの理由から、特に多くの企業に応募する転職活動や就職活動では、パソコン作成が非常に有利です。

手書きの指定がない限りパソコンで作成

応募する企業から「手書きの履歴書を提出してください」という明確な指定がない限り、パソコンで作成して問題ありません。 募集要項は必ず隅々まで確認し、「自筆で」や「手書きで」といった文言がないかチェックしましょう。

もし指定が見当たらない、あるいはどちらでも良いとされている場合は、前述のメリットを考慮し、パソコンでの作成を推奨します。

手書きとパソコン作成のメリット・デメリット比較

ここでは、手書きとパソコン作成のメリット・デメリットを改めて整理します。両方の特徴を理解することで、より納得して作成方法を選ぶことができます。

【一覧表】手書きとパソコンの比較

項目手書きパソコン
作成効率低い(書き直しに時間がかかる)高い(修正・複製が容易)
読みやすさ字の綺麗さに左右される誰でも読みやすい
与える印象熱意、丁寧さ、人柄PCスキル、効率性、論理的
アピール文字の丁寧さで誠実さを表現整ったレイアウトで構成力を表現
コスト履歴書用紙、筆記用具、証明写真印刷代、データ写真(無料も可)
推奨される場面企業からの指定がある場合、一部の伝統的な業界指定がない場合全般、特にIT・外資系

手書き作成のメリット・デメリット

メリット

  • 熱意や人柄が伝わりやすい
    丁寧で読みやすい文字で書かれた履歴書は、入社への熱意や真面目な人柄をアピールできる可能性があります。特に手書きの文化が残る企業では、プラスに評価されることもあります。
  • 他の応募者と差別化できる
    パソコン作成が主流となる中で、あえて丁寧に手書きされた履歴書は、採用担当者の記憶に残りやすくなるかもしれません。

デメリット

  • 作成に時間がかかる
    一字一句間違えずに書く必要があり、書き損じると最初からやり直しになるため、非常に時間がかかります。
  • 文字によっては読みにくい
    字に自信がない場合、かえって読みにくくなり、内容が伝わらないリスクがあります。採用担当者によっては、丁寧さに欠けると判断される可能性もゼロではありません。
  • 修正・複製が難しい
    一度書き終えると修正が困難です。また、複数の企業に応募する際に、毎回手書きで作成するのは大きな負担となります。

パソコン作成のメリット・デメリット

メリット

  • 作成・修正が圧倒的に楽
    最大のメリットは、作成と修正の容易さです。 誤字脱字もすぐに直せ、企業ごとに志望動機などを書き換えるのも簡単です。
  • 誰にとっても読みやすい
    統一されたフォントとレイアウトにより、誰が読んでも分かりやすい書類が作れます。採用担当者は多くの履歴書に目を通すため、読みやすさは重要な要素です。
  • 基本的なPCスキルをアピールできる
    WordやExcelを使いこなして整った書類を作成できることは、基本的なビジネススキルを持っていることの証明になります。
  • データの管理・再利用がしやすい
    作成した履歴書データを保存しておけば、いつでも見返したり、他の企業への応募時に再利用したりできます。

デメリット

  • 個性や人柄が伝わりにくい
    フォーマットが均一化されるため、手書きのような個性や人柄は伝わりにくい側面があります。
  • 企業によっては評価されない可能性も
    ごく一部の伝統的な企業や、特定の職種(書道教室の講師など)では、手書きが好まれる場合があります。

【状況別】手書きとパソコンの最適な選び方

基本はパソコン作成で問題ありませんが、状況によっては手書きが有効なケースもあります。ここでは、具体的な状況に応じた最適な選び方を解説します。

企業の指定に従うのが大前提

最も重要なのは、応募先企業の指示に従うことです。 募集要項に「手書きで提出」「自筆のこと」といった記載があれば、必ず手書きで作成しましょう。この指示に従わない場合、「募集要告をきちんと読んでいない」と判断され、選考で不利になる可能性が非常に高いです。

IT・外資系・ベンチャー企業はパソコン推奨

IT業界、外資系企業、ベンチャー企業などでは、パソコン作成がほぼ必須と考えてよいでしょう。 これらの企業は、合理性や効率性、ITリテラシーを重視する傾向が強いです。

手書きの履歴書を提出すると、「PCスキルが低いのでは?」「時代遅れの感覚を持っているのでは?」といったネガティブな印象を与えかねません。迷わずパソコンで作成しましょう。

公務員・金融・老舗企業は手書きも有効

公務員や一部の金融機関、歴史の長い老舗企業などでは、今でも手書きの履歴書が好まれる傾向が残っている場合があります。 これらの組織では、丁寧さや誠実さといった人柄を重視する文化が根強いからです。

ただし、近年はこれらの業界でもパソコン作成が浸透してきています。企業の公式サイトや採用ページで、企業の文化や求める人物像を確認し、判断に迷う場合はパソコンで作成するのが無難です。字に自信があり、熱意を伝えたい場合に手書きを選択肢の一つとして考える、というスタンスが良いでしょう。

新卒・第二新卒と転職での考え方の違い

◎新卒・第二新卒の場合

ポテンシャル採用が中心となるため、人柄や熱意を伝える手段として手書きを選ぶ戦略も有効な場合があります。 特に、他にアピールできる職務経験が少ない場合は、丁寧な文字で誠実さを示すことも一つの方法です。ただし、基本的にはパソコン作成で問題ありません。

◎転職の場合

転職活動では、即戦力としてのスキルや経験が重視されるため、パソコンでの作成が断然おすすめです。 職務経歴書と合わせて、分かりやすく論理的にまとめられた書類の方が、ビジネススキルを高く評価されます。複数の企業に効率的に応募するためにも、パソコンで作成しましょう。

パソコンで履歴書を作成する際の基本と注意点

パソコンで履歴書を作成すると決めたら、次は正しい作り方をマスターしましょう。採用担当者に好印象を与えるためのポイントと注意点を解説します。

履歴書フォーマットの選び方とテンプレート

履歴書のフォーマットは、特に指定がなければJIS規格のテンプレートを使用するのが最も一般的で安心です。 厚生労働省のサイトでも推奨テンプレートが配布されています。

  • JIS規格履歴書: 学歴・職歴、免許・資格、志望動機、本人希望欄など、基本的な項目が網羅されています。
  • 転職者向け履歴書: 職務要約欄やアピールポイント欄が充実しているフォーマットもあります。自分の経歴に合わせて選びましょう。

Web上には無料でダウンロードできるテンプレートが多数あるので、WordやExcel形式のものを活用してください。
(参考:厚生労働省履歴書様式例 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/risyou/index.html)

読みやすいフォントと文字サイズ

  • フォント
    読みやすさを重視し、明朝体(MS明朝、游明朝など)を使いましょう。 ゴシック体は力強い印象ですが、履歴書のような長文の書類では明朝体の方が見やすいとされています。
  • 文字サイズ
    基本は10.5pt~11ptが適切です。 小さすぎると読みにくく、大きすぎると文章量が少なく見えてしまいます。見出しは少し大きめの12ptにするなど、メリハリをつけるとより見やすくなります。

証明写真データの貼り付け方

パソコンで作成した履歴書には、証明写真のデータを直接貼り付けるのが一般的です。 スピード写真機や写真館でデータを受け取るプランを選びましょう。

貼り付ける際は、以下の点に注意してください。

  • 指定されたサイズ(例:縦40mm×横30mm)に正しくトリミングする。
  • 画像の解像度が低く、不鮮明にならないようにする。
  • ファイル形式はJPEGが一般的です。

職務経歴書もパソコン作成で統一する

履歴書をパソコンで作成する場合、職務経歴書も必ずパソコンで作成し、フォーマットを統一しましょう。 履歴書は手書き、職務経歴書はパソコンといったように形式がバラバラだと、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。

フォントや文字サイズも揃えることで、書類全体に統一感が生まれ、丁寧な仕事ができる人物という印象につながります。

パソコン作成した履歴書の正しい印刷方法

履歴書が完成したら、最後の関門である「印刷」です。せっかく良い内容の履歴書ができても、印刷で失敗すると台無しです。正しい印刷方法をマスターしましょう。

履歴書印刷に最適な用紙の種類と厚さ

履歴書の印刷には、一般的なコピー用紙ではなく、少し厚みのある「上質紙」や「履歴書用印刷用紙」を使いましょう。 ペラペラのコピー用紙では安っぽい印象を与えてしまいます。

  • 紙の種類: 上質紙がおすすめです。家電量販店や文房具店で「履歴書用」「エントリーシート用」として販売されています。
  • 紙の厚さ: 0.15mm~0.2mm程度が目安です。一般的なコピー用紙(約0.09mm)よりもしっかりとした厚みがあります。

印刷サイズはA4かB5(A3二つ折り)

履歴書のサイズは、A4サイズ2枚、またはA3サイズを二つ折りにした形式(見開きでB4)が一般的です。 企業からの指定がなければ、どちらでも構いません。

  • A4サイズ2枚: 家庭用プリンターで印刷しやすく、管理もしやすいです。提出時はクリップで左上を留めましょう。
  • B5サイズ2枚(A3を二つ折り): 市販の履歴書でよく見られる伝統的なサイズです。こちらも同様にクリップで留めます。

近年はビジネス文書の標準であるA4サイズが主流になりつつあります。迷ったらA4サイズを選ぶと良いでしょう。

自宅のプリンターで印刷する際の注意点

  • 印刷設定を確認する: 「フチなし印刷」は避け、適切な余白が設定されているか確認します。
  • インクのかすれや汚れに注意: 印刷前にノズルチェックやテスト印刷を行い、きれいに印刷できるか確認しましょう。
  • シワや折れがないか確認: 印刷後は、用紙にシワや汚れ、折れがないかを必ずチェックしてください。

コンビニのマルチコピー機で印刷する手順

自宅にプリンターがない場合や、より高品質な印刷をしたい場合は、コンビニのマルチコピー機が便利です。

ネットプリントサービスを利用する手順

  1. ファイルを登録:
    セブン-イレブンの「netprint」や、ファミリーマート・ローソンの「ネットワークプリントサービス」などのサイトに、作成した履歴書(PDF形式が推奨)をアップロードします。
  2. 予約番号を控える:
    アップロードが完了すると、プリント予約番号が発行されるので、メモしておきます。
  3. コンビニで印刷:
    マルチコピー機のメニューから「ネットプリント」などを選択し、予約番号を入力します。
  4. 用紙と印刷設定を選択:
    用紙サイズ(A4など)を選択し、「普通紙」ではなく「持ち込み用紙」や「写真用紙」などを選択できる場合は、持参した上質紙をセットして印刷します。 ただし、店舗によっては持ち込み用紙が禁止されている場合もあるため、事前に確認が必要です。持ち込みができない場合は、備え付けの普通紙に印刷します。
  5. 印刷完了:
    料金を投入し、印刷を開始します。印刷後は、仕上がりを必ず確認しましょう。

履歴書の手書き・パソコンに関するQ&A

最後に、履歴書の作成方法に関してよくある質問にお答えします。

署名だけ手書きにするのはあり?

「あり」です。むしろ、署名欄がある場合は手書きが推奨されます。 履歴書全体はパソコンで作成し、最後の署名欄だけ自筆でサインすることで、丁寧な印象と本人が作成した証明になります。ただし、署名欄がないフォーマットの場合は、無理に手書きの署名を入れる必要はありません。

手書きの履歴書とパソコンの職務経歴書はOK?

避けた方が無難です。 書類のフォーマットは統一するのがビジネスマナーの基本です。履歴書と職務経歴書で作成方法が異なると、一貫性がなく、雑な印象を与えてしまう可能性があります。どちらかに揃えましょう。

パソコン作成は熱意がないと思われる?

「思われない」と考えて大丈夫です。 現代のビジネスシーンでは、分かりやすく効率的に情報を伝える能力が重視されます。整然と作られたパソコンの履歴書は、むしろビジネススキルの高さをアピールする材料になります。熱意は、志望動機や自己PRの「内容」で伝えましょう。

「自筆」と指定されたら手書き必須?

はい、必須です。 「自筆」という言葉は「本人が自分で書くこと」を意味します。この指定がある場合は、必ず手書きで作成してください。パソコンで作成したものを提出すると、指示に従えない人物と見なされてしまいます。

手書きの文字に自信がない場合はどうする?

無理に手書きにせず、パソコンで作成しましょう。 読みにくい文字で書かれた履歴書は、内容が伝わらないだけでなく、マイナスの印象を与えかねません。手書きを指定されていない限り、読みやすさを優先してパソコン作成を選ぶのが賢明です。どうしても手書きが必要な場合は、ボールペン習字の練習本を参考にしたり、時間をかけて丁寧に書くことを心がけましょう。

まとめ

今回は、履歴書を手書きとパソコンのどちらで作成すべきかについて、詳しく解説しました。

  • 結論: 企業の指定がない限り、パソコンでの作成が基本。
  • 理由: 採用担当者の多くが許容しており、効率性・読みやすさ・PCスキルのアピールといったメリットが大きいから。
  • 選び方: 企業の指示が最優先。 IT・ベンチャーはパソコン、伝統的な企業では手書きも選択肢になるが、迷ったらパソコンが無難。
  • パソコン作成の注意点: JIS規格のテンプレートを使い、フォントは明朝体、サイズは10.5pt~11ptが基本。
  • 印刷方法: 厚手の上質紙を使い、自宅またはコンビニで綺麗に印刷する。

履歴書の作成方法は、あくまで選考の入り口に過ぎません。大切なのは、あなたの魅力や熱意が伝わる「内容」です。作成方法で悩みすぎず、この記事を参考に最適な方法を選んで、自信を持って書類選考に臨んでください。あなたの就職・転職活動が成功することを心から応援しています。

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