あなたのPCスキルレベルは?|自己診断と、履歴書・職務経歴書の書き方

転職活動で求人情報を見ていると、「必須資格:PCスキル初級」などという文章を目にしたことはありませんか?そもそも自分のPCスキルのレベルはどれくらいなんだろう?という方は多いと思います。

この記事を読めば、自分のPCスキルレベルを正しく理解し、自信を持って履歴書等にも記載できるようになります。ぜひ最後まで読んで、あなたの強みを最大限にアピールしましょう。

まずはPCスキルレベルを自己診断

自分のPCスキルがどのレベルなのか、客観的に把握することがアピールの第一歩です。まずは、Word、Excel、PowerPointの各ソフトについて、どの操作ができるかチェックしてみましょう。

Wordのスキルチェックリスト

Wordは、報告書や送付状など、ビジネス文書の作成に欠かせないソフトです。以下の項目で、ご自身ができる操作を確認してみてください。

  • 文字の装飾
    フォントサイズや色、太字、斜体などの設定ができる
  • 箇条書き・段落番号
    箇条書きや段落番号を設定・編集できる
  • 表の作成・編集
    表の挿入、セルの結合・分割、罫線の編集ができる
  • 図や画像の挿入
    文書内に図形や画像を挿入し、サイズ変更や配置設定ができる
  • ヘッダー・フッター
    文書の上部や下部にページ番号や日付などを設定できる
  • インデント・タブ
    文章の字下げや行頭の位置を揃えることができる
  • 差込印刷
    宛名リストなどを使って、複数の文書を一度に作成できる
  • 変更履歴の管理
    文書の修正箇所を記録し、コメントの追加や承諾・拒否ができる

Excelのスキルチェックリスト

Excelは、データ集計や分析、グラフ作成など、特に事務職や企画職で重要視されるソフトです。関数や分析機能について、どこまで使えるか確認しましょう。

  • 四則演算
    SUM関数を使わずに、セル同士の足し算や引き算ができる
  • 基本的な関数
    SUM(合計)、AVERAGE(平均)、COUNT(個数)などの基本的な関数が使える
  • IF関数
    条件によって表示する値を変えることができる(例:売上目標達成なら「〇」、未達成なら「×」)
  • グラフの作成
    棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど、データに適したグラフを作成・編集できる
  • テーブル機能
    データの範囲をテーブルに変換し、並べ替えや抽出(フィルタ)ができる
  • VLOOKUP関数・XLOOKUP関数
    指定した値に対応するデータを、別の表から検索して表示できる
  • ピボットテーブル
    大量のデータをドラッグ&ドロップ操作で、様々な角度から集計・分析できる
  • マクロの記録
    繰り返し行う操作を記録し、自動で実行させることができる
  • VBA(Visual Basic for Applications)
    VBAのコードを記述・編集し、複雑な処理の自動化や独自の機能を作成できる

PowerPointのスキルチェックリスト

PowerPointは、プレゼンテーション資料の作成に必須のソフトです。営業職や企画職では、分かりやすく魅力的な資料を作成するスキルが求められます。

  • スライドの基本操作
    スライドの追加・削除、レイアウトの変更ができる
  • テキスト・図形の挿入
    テキストボックスや図形を挿入し、書式設定ができる
  • 画像の挿入・編集
    画像を挿入し、トリミングやサイズ変更、配置の調整ができる
  • SmartArtグラフィック
    組織図やフローチャートなどの図解を簡単に作成できる
  • デザインテンプレートの適用
    資料全体のデザインを統一できる
  • アニメーション・画面切り替え
    オブジェクトに動きをつけたり、スライドが切り替わる際の効果を設定したりできる
  • 発表者ツールの使用
    プレゼン本番で、手元のPCにだけメモや次のスライドを表示させることができる
  • スライドマスターの編集
    全てのスライドに共通するロゴや背景、フォントなどを一括で設定できる

PCスキルのレベル分けの目安

自己診断の結果をもとに、自分のスキルがどのレベルに該当するのか確認しましょう。一般的に、PCスキルは「初級」「中級」「上級」の3段階で評価されます。

初級レベル(基本的な操作ができる)

初級レベルは、既存のフォーマットへの入力や、簡単な修正作業を指示通りにこなせる段階です。ビジネスパーソンとしての最低限のスキルと言えます。

  • Word
    文字入力、書式設定(太字、色変更)、簡単な文書作成
  • Excel
    四則演算、SUM・AVERAGE関数を使った簡単な計算、セルの書式設定、簡単なグラフ作成
  • PowerPoint
    テキスト入力、簡単な図形の挿入、既存資料の修正

中級レベル(応用的な操作ができる)

中級レベルは、ゼロから自分で考えて文書や資料を作成でき、業務効率化を意識した応用操作ができる段階です。多くの事務職や営業職で求められる実践的なスキルレベルです。

  • Word
    表の作成、図や画像の挿入、差込印刷機能の活用
  • Excel
    IF関数やVLOOKUP関数などを使ったデータ集計・抽出、ピボットテーブルを使ったデータ分析
  • PowerPoint
    SmartArtやアニメーション機能の活用、分かりやすい構成でのプレゼン資料作成

上級レベル(業務改善や効率化ができる)

上級レベルは、PCスキルを駆使して、業務の自動化や大幅な効率化を実現できる段階です。専門職や管理職、DX推進担当などで高く評価されます。

  • Word
    変更履歴やコメント機能を活用した複数人での文書共同編集、スタイル機能の活用
  • Excel
    マクロやVBAを組んで定型業務を自動化、複雑な関数を組み合わせたデータ分析
  • PowerPoint
    スライドマスターを駆使したテンプレート作成、高度なアニメーションや動画の埋め込み

履歴書・職務経歴書へのPCスキルの書き方

自分のスキルレベルが把握できたら、いよいよ履歴書・職務経歴書に書いていきましょう。採用担当者にスキルを正しく、かつ魅力的に伝えるための3つのポイントを紹介します。

使用可能なソフトを箇条書きで記載

まず、どのソフトウェアが使えるのかを明確に示します。Word、Excel、PowerPointなど、使用可能なソフト名を箇条書きで記載すると、採用担当者が一目で把握しやすくなります。

スキルレベルと具体的な操作内容を併記

ソフト名の横に「初級」「中級」といったレベルを記載し、さらに「何ができるのか」を具体的な操作内容で補足することが最も重要です。これにより、スキルの具体性と信頼性が格段にアップします。

【ポイント】
(ソフト名)(レベル)(具体的な操作内容や実績)」の形式で書くのがおすすめです。

アピールにならないNGな書き方例

一方で、以下のような曖昧な表現は避けましょう。スキルレベルが伝わらず、他の応募者との差別化ができません。

  • NG例1:「Word、Excel、PowerPointが使えます」
    → どのレベルで使えるのか全く分かりません。
  • NG例2:「PCの基本操作ができます」
    → 「基本操作」の認識は人それぞれで、具体性に欠けます。
  • NG例3:「Excelが得意です」
    → 「得意」の根拠が不明で、主観的なアピールになってしまいます。

大切なのは、客観的な事実として「何ができるか」を伝えることです。

【例文】ソフト・レベル別のスキル表記

ここでは、そのまま使えるスキル表記の例文をソフト別・レベル別にご紹介します。ご自身のスキルに合わせてカスタマイズして活用してください。

Wordのスキル書き方例文

  • 初級レベル
    Word:基本的な文書作成、文字装飾、表の挿入、印刷設定が可能です。
  • 中級レベル
    Word:報告書や契約書などのビジネス文書をゼロから作成可能です。表作成、図の挿入、差込印刷機能を用いて、効率的に文書を作成できます。
  • 上級レベル
    Word:変更履歴やコメント機能を活用し、複数人でのマニュアル共同編集を円滑に進めることができます。スタイル機能を用いた長文資料の体裁統一も可能です。

Excelのスキル書き方例文

Excelは特にスキルレベルが問われるソフトです。関数や機能名を具体的に記載することで、スキルの高さをアピールできます。

  • 初級レベル(SUM関数・グラフ作成)
    Excel:SUM、AVERAGE関数を用いた集計表の作成、および売上データをもとにした棒グラフや円グラフの作成が可能です。
  • 中級レベル(VLOOKUP関数・ピボットテーブル)
    Excel:VLOOKUP関数やIF関数を組み合わせた商品データの抽出・集計、ピボットテーブルを用いた顧客データ分析、レポート作成が可能です。
  • 上級レベル(マクロ・VBA)
    Excel:マクロ(VBA)を用いて、月次レポート作成の定型業務を自動化し、作業時間を月5時間削減した経験があります。

PowerPointのスキル書き方例文

  • 初級レベル
    PowerPoint:既存テンプレートへのテキスト・画像入力、簡単なアニメーション設定が可能です。
  • 中級レベル
    PowerPoint:SmartArtやグラフを用いて、視覚的に分かりやすい営業提案資料をゼロから作成可能です。
  • 上級レベル
    PowerPoint:スライドマスターを編集して全社共通のプレゼンテーションテンプレートを作成した経験があります。

【職種別】求められるPCスキルとアピール例

応募する職種によって、求められるPCスキルのレベルや種類は異なります。職種に合わせたアピールで、採用担当者からの評価を高めましょう。

事務職・アシスタント職のPCスキル

事務職では、正確性と効率性が重視されます。ExcelやWordを使った定型業務をミスなくスピーディーにこなせるスキルが求められます。

  • 求められるスキル
    • Word:ビジネス文書(送付状、報告書)の作成
    • Excel:SUMIF、COUNTIF、VLOOKUP関数、ピボットテーブルによるデータ集計
  • アピール例
    Excel:VLOOKUP関数を用いて、商品マスタから価格や品番を自動で参照する請求書フォーマットを作成し、入力ミス削減と作業効率化に貢献しました。

営業職・企画職のPCスキル

営業職や企画職では、分析力と提案力を示すスキルが重要です。Excelでのデータ分析能力や、PowerPointでの分かりやすい資料作成能力をアピールしましょう。

  • 求められるスキル
    • Excel:ピボットテーブルでの売上分析、グラフ作成
    • PowerPoint:顧客への提案資料や、会議でのプレゼン資料の作成
  • アピール例
    PowerPoint:顧客の課題に合わせた提案資料を30枚程度で作成し、プレゼンテーションを行っていました。図やグラフを多用し、複雑な内容を分かりやすく伝えることを心がけていました。

経理・財務職のPCスキル

経理・財務職では、高い正確性と専門性が求められます。大量の数値を扱うため、高度なExcelスキルは必須と言えるでしょう。

  • 求められるスキル
    • Excel:VLOOKUP関数、IF関数はもちろん、SUMIFS、INDEX、MATCH関数など複雑な関数、マクロ・VBA
    • 会計ソフトの使用経験
  • アピール例
    Excel:マクロ(VBA)を用いて、複数の会計システムから出力されたデータを自動で集計・整形するツールを作成し、月次決算の早期化に貢献しました。

さらに評価されるPC関連スキル・資格一覧

基本的なOfficeソフトに加えて、以下のスキルや資格があれば、他の応募者と差をつけることができます。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

MOSとは、Microsoft Office製品の利用スキルを証明する国際資格です。客観的なスキル証明として非常に有効で、特に未経験の職種に応募する際に有利に働くことがあります。
(参考:https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html

日商PC検定

日商PC検定は、日本商工会議所が主催する検定で、ビジネス実務における文書作成やデータ活用能力を測ります。MOSよりも、より実践的な内容が問われるのが特徴です。
(参考:https://www.kentei.ne.jp/pc

タッチタイピングの速度(キー/分)

正確かつ高速なタイピングスキルは、あらゆる事務作業の基本です。「〇〇キー/分」のように具体的な数値を記載すると、入力業務のスピード感をアピールできます。無料で速度を測定できるサイトもあるので、一度計測してみるのがおすすめです。

Google Workspace(スプレッドシート・ドキュメント)

近年、Microsoft Officeだけでなく、Google Workspace(スプレッドシート、ドキュメント、スライドなど)を導入する企業も増えています。特にIT系やスタートアップ企業では重宝されるスキルです。

まとめ

PCスキルのレベルを正しく把握し、履歴書や職務経歴書で具体的にアピールすることは、転職成功への重要な鍵です。

この記事で紹介したポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • まずは自己診断
    チェックリストで自分の現在地を客観的に把握する。
  • レベル分けを理解する
    「初級」「中級」「上級」の目安を知り、自分のスキルを位置づける。
  • 具体的に書く
    「どのソフトで」「何ができるか」を具体的な操作名や実績を交えて書く。
  • 職種に合わせる
    応募する仕事で求められるスキルを意識してアピール内容を調整する。

「PCスキル:Excel、Word 使用可能」といった曖昧な表現から卒業し、あなたの強みがしっかりと伝わる書き方を実践してみてください。自信を持って書かれた職務経歴書は、採用担当者の心に響くはずです。あなたの転職活動が成功することを心から応援しています。

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