
「今の会社、給料は悪くないけど、なんだか働きにくい…」「結婚や将来を考えると、もっと安心して長く働ける会社に転職したいな」
そんな風に感じていませんか?ワークライフバランスを重視する今、給与と同じくらい「福利厚生の充実度」は会社選びの重要な指標になっています。
この記事では、転職を考えているあなたのために、福利厚生が良いと評判の会社をランキング形式でご紹介します。さらに、「そもそも良い福利厚生とは何か?」という基本から、求人票や面接でホワイト企業を見抜く方法まで、専門家の視点で徹底解説します。
この記事を読めば、あなたが本当に求める「働きやすい会社」を見つけるための具体的なヒントが手に入ります。

福利厚生が良い会社・企業ランキング

早速、どのような企業が福利厚生に力を入れているのか見ていきましょう。ここでは、各種調査や口コミサイトの評価を基に、「総合」「大手企業」「中小・ベンチャー企業」の3つの部門に分けてランキングを作成しました。
総合ランキングTOP10
業界や企業規模を問わず、福利厚生の充実度で特に評価の高い企業を10社ピックアップしました。働きやすさを追求する企業の姿勢がうかがえます。
- SCSK株式会社: 残業時間の削減や有給休暇取得率の高さに定評があります。働き方改革に積極的に取り組み、社員の健康と生活を第一に考えている企業です。
- 株式会社日立製作所: 住宅支援や家族手当、カフェテリアプランなど、非常に手厚い福利厚生が魅力です。大手ならではの安定感と充実した制度が両立しています。
- グーグル合同会社: 独創的で手厚い福利厚生で知られています。無料の食事提供やフィットネスジム、充実した育児支援など、社員のパフォーマンスを最大限に引き出す環境が整っています。
- 味の素株式会社: 住宅手当や家族手当が手厚く、社員の生活をしっかりとサポート。育児や介護と仕事の両立支援制度も充実しており、ライフステージの変化に対応しやすい環境です。
- 三井物産株式会社: 高い給与水準に加え、住宅補助や海外勤務手当など、福利厚生もトップクラス。社員の自己成長を支援する研修制度も充実しています。
- トヨタ自動車株式会社: 自動車業界のリーディングカンパニーとして、福利厚生も業界最高水準。寮・社宅制度や保養所の利用、自家用車購入の割引制度など、独自の制度が魅力です。
- サントリーホールディングス株式会社: 「やってみなはれ」の精神を支える、手厚い福利厚生が特徴。住宅支援や自己啓発支援、柔軟な働き方を可能にする制度が整っています。
- 株式会社キーエンス: 高収益企業として知られますが、社員への還元も手厚いことで有名です。手厚い賞与や福利厚生で、社員のモチベーションを高めています。
- エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ): 安定した経営基盤のもと、住宅補助や財形貯蓄、リフレッシュ休暇など、網羅性の高い福利厚生を提供しています。
- リクルートホールディングス: 柔軟な働き方を支援する制度が充実。リモートワークやフレックスタイム制度が浸透しており、個人の裁量で働きやすい環境です。
(参考:東洋経済オンライン「新・企業力ランキング」、OpenWork「働きがいのある会社ランキング」など)
大手企業編TOP5
安定性と制度の網羅性を求めるなら、やはり大手企業が魅力的です。ここでは特に福利厚生が手厚いと評判の大手企業を5社紹介します。
- ソニーグループ株式会社: 住宅関連の補助が手厚いほか、個人のキャリアプランに合わせて選択できる「カフェテリアプラン」が人気です。
- 三菱商事株式会社: 総合商社の中でもトップクラスの福利厚生を誇ります。独身寮や社宅、高額な住宅補助など、住環境のサポートが非常に手厚いです。
- 武田薬品工業株式会社: 製薬業界ならではの安定した経営基盤を背景に、手厚い福利厚生を提供。特に住宅手当やMR向けの手当は業界でも高水準です。
- 任天堂株式会社: クリエイティブな社員を支える福利厚生が充実。本社には社員食堂やフィットネスクラブも完備されています。
- 東海旅客鉄道株式会社(JR東海): インフラ企業ならではの安定した福利厚生が魅力。社宅や寮、全国の保養所、グループ施設の割引利用など、生活を支える制度が整っています。
中小・ベンチャー企業編TOP5
中小・ベンチャー企業の中にも、独自の魅力的な福利厚生で社員満足度を高めている会社はたくさんあります。ここではユニークな制度を持つ企業を5社紹介します。
- 株式会社ZOZO: 「ZOZO WORKSTYLE」を掲げ、基本給の一律化や独自の「ろくじろう」(6時間労働制)など、ユニークな働き方を推進しています。
- サイボウズ株式会社: 「100人100通りの働き方」を目指し、働く時間や場所を社員が自由に選択できる制度を導入。副業も許可されており、多様なキャリアを支援しています。
- 株式会社ミクシィ: 社員のコミュニケーション活性化を目的とした福利厚生が特徴。「ランチ補助」や部活動支援など、社員同士の交流を促す制度が豊富です。
- レバレジーズ株式会社: 若手社員が多いながらも、手厚い住宅手当(ご近所手当)や学習支援制度が充実。社員の成長と生活をしっかりサポートする姿勢が見られます。
- 株式会社アトラエ: 会社の利益を社員に還元する独自の報酬制度や、自由な働き方を支援する制度が特徴。社員のエンゲージメントを非常に重視している企業です。
「良い福利厚生」とは?種類と定義

福利厚生が良い会社を探す前に、まずは「福利厚生」そのものについて理解を深めましょう。福利厚生は、大きく2つの種類に分けられます。
法律で定められた「法定福利厚生」
法定福利厚生とは、法律によって企業が従業員に提供することが義務付けられている福利厚生のことです。これらが整備されていない場合、その企業は法律違反となります。
- 健康保険: 病気やケガをした際の医療費負担を軽減するための保険です。
- 厚生年金保険: 老後の生活を支える年金制度です。
- 雇用保険: 失業した際の生活保障や再就職を支援するための保険です。
- 労災保険: 業務中や通勤中のケガや病気に対して給付が行われる保険です。
- 介護保険: 40歳以上の従業員が加入し、介護が必要になった際にサービスを受けるための保険です。
- 子ども・子育て拠出金: 児童手当や子育て支援事業の財源となるもので、全額事業主が負担します。
企業独自の「法定外福利厚生」
法定外福利厚生とは、企業が独自に設けている福利厚生のことです。企業の個性や社員への想いが最も表れる部分であり、会社選びの際に注目すべきポイントです。どのような制度があるかで、その企業が何を大切にしているかが見えてきます。
人気の福利厚生制度一覧
法定外福利厚生の中でも、特に求職者から人気が高く、生活の質や働きやすさに直結する制度をいくつかご紹介します。
- 住宅手当・家賃補助
社員の家賃や住宅ローンの一部を企業が補助する制度です。生活費の中で大きな割合を占める住居費をサポートしてくれるため、可処分所得が実質的に増える人気の制度です。 - 通勤手当
自宅から会社までの交通費を支給する制度です。多くの企業で導入されていますが、上限額や支給条件は企業によって異なります。 - 家族手当・扶養手当
配偶者や子どもなど、扶養家族がいる社員に対して支給される手当です。ライフステージの変化に対応したサポートと言えます。 - 社員食堂・食事補助
安価または無料で食事を提供する制度です。毎日のランチ代を節約できるだけでなく、栄養バランスの取れた食事で健康をサポートしてくれます。 - 特別休暇(リフレッシュ休暇など)
法律で定められた年次有給休暇とは別に、企業が独自に設定する休暇制度です。勤続年数に応じて付与されるリフレッシュ休暇や、誕生日や結婚記念日に休めるアニバーサリー休暇などがあります。 - 自己啓発・学習支援
資格取得の費用補助や、書籍購入費の補助、セミナー参加費の支援など、社員のスキルアップや学びを応援する制度です。 - 財産形成支援(財形貯蓄、持株会など)
社員の資産形成をサポートする制度です。給与天引きで貯蓄ができたり、自社の株式を割安で購入できたりします。 - 健康支援(人間ドック補助、フィットネスジムなど)
法定の健康診断に加えて、人間ドックの費用を補助したり、提携するフィットネスジムを安く利用できたりする制度です。
福利厚生で探すホワイト企業の見つけ方

福利厚生の充実は、社員を大切にする「ホワイト企業」である可能性が高い証拠です。ここでは、転職活動の中で福利厚生の良いホワイト企業を見つけるための具体的な方法を解説します。
求人票で確認すべき必須項目
求人票は情報収集の第一歩です。以下の項目に注目して、企業の働きやすさをチェックしましょう。
- 年間休日数
最低でも120日以上が一つの目安です。完全週休2日制(土日祝休み)の場合、年間休日は120日を超えます。 - 完全週休2日制と週休2日制の違い
「完全週休2日制」は毎週必ず2日の休みがありますが、「週休2日制」は月に1回以上、週2日の休みがあるという意味で、毎週2日休めるとは限りません。「完全週休2日制」と明記されているかを確認しましょう。 - 休暇制度
年次有給休暇の取得率や、夏季休暇、年末年始休暇、リフレッシュ休暇などの特別休暇の有無をチェックします。 - 手当の種類
「諸手当」の欄に、住宅手当、家族手当、役職手当など、どのような手当があるか具体的に記載されているかを確認しましょう。 - 残業時間の実績
「月平均残業時間〇〇時間」といった具体的な記載があるかを見ます。記載がない場合や「みなし残業代」の割合が高い場合は注意が必要です。
企業の口コミサイトの活用法と注意点

OpenWorkやLighthouse(旧カイシャの評判)などの口コミサイトは、実際に働いている(いた)社員の生の声が聞ける貴重な情報源です。
- 活用法
求人票だけでは分からない、福利厚生制度の実際の利用状況や満足度を確認できます。「住宅手当はあるが、支給条件が厳しくてほとんどの人が使えない」といったリアルな情報を得られる可能性があります。 - 注意点
口コミはあくまで個人の主観であり、退職者によるネガティブな意見に偏る傾向もあります。複数の口コミを読み比べ、客観的な事実と個人の感想を分けて判断することが大切です。
採用面接で福利厚生について質問する方法
面接は、企業の情報を直接得られる絶好の機会です。ただし、聞き方には少し工夫が必要です。
- 質問のタイミング
一次面接など、選考の早い段階で質問するのは避けましょう。内定が近い最終面接や、人事担当者との面談の場で質問するのが適切です。 - 効果的な質問例
「もしご縁をいただけた場合、長く貴社で貢献していきたいと考えております。差し支えなければ、社員の皆様がよく利用されている福利厚生制度や、独自の制度についてお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「育児をしながら活躍されている女性社員の方はいらっしゃいますか?どのようなサポート制度を活用されているか、事例があれば教えていただけますでしょうか。」
「長く働きたい」という意欲を示した上で質問することで、権利ばかりを主張する印象を与えずに、知りたい情報を引き出すことができます。

福利厚生が手厚い業界ランキング

福利厚生の充実度は、業界によっても傾向があります。一般的に、以下の業界は福利厚生が手厚いと言われています。
1位:メーカー(自動車・電機)
古くから終身雇用を前提としてきた歴史があり、社員が安心して長く働けるよう、住宅関連の補助(寮・社宅)や家族手当、保養所などが非常に充実しています。労働組合が強いことも、手厚い福利厚生を維持している要因の一つです。
2位:インフラ(電力・ガス・鉄道)
社会の基盤を支えるインフラ業界は、景気に左右されにくい安定した経営が特徴です。そのため、長期的な視点での福利厚生制度が整っており、特に住宅支援や財産形成支援、退職金制度などが手厚い傾向にあります。
3位:IT・情報通信業
比較的新しい業界ですが、優秀な人材の獲得競争が激しいため、他社との差別化を図るユニークで魅力的な福利厚生を導入する企業が増えています。リモートワークやフレックスタイムなどの柔軟な働き方、スキルアップ支援などが代表的です。
4位:金融・保険業
高い給与水準に加えて、福利厚生も充実している業界です。特に、住宅手当や財形貯蓄、提携施設の割引利用など、金銭的なメリットが大きい制度が整っていることが多いです。
すごい・ユニークな福利厚生の事例

近年、社員のエンゲージメント向上や人材獲得のために、ユニークな福利厚生を導入する企業が増えています。ここでは、特に注目すべき事例をいくつかご紹介します。
住宅手当・家賃補助が手厚い企業
- サイバーエージェント
オフィスの最寄り駅から2駅圏内に住む社員に月3万円の家賃補助を支給する「2駅ルール」が有名です。 - 武田薬品工業
MR(医薬情報担当者)に対しては、借り上げ社宅制度があり、家賃の大部分を会社が負担してくれるなど、非常に手厚い住宅支援があります。
休暇制度が充実している企業
- SCSK
有給休暇を100%取得することを奨励しており、取得できなかった日数分を会社が買い取るのではなく、ペナルティとして会社が寄付するというユニークな取り組みを行っています。 - ヤフー(LINEヤフー)
土日と祝日の数が連続する場合、その間の平日を休みにする「土日祝振替特別休日」や、課題解決に取り組むための「課題解決休暇」など、独自の休暇制度があります。
自己成長・学習支援がユニークな企業
- メルカリ
社員の成長を支援するため、年間12万円分のポイントを付与し、語学学習や資格取得、カンファレンス参加などに自由に使える「mercan R4D」制度があります。 - GMOインターネットグループ
世界一の福利厚生を目指しており、24時間利用可能な社員食堂や社内託児所、マッサージルームや仮眠スペースまで完備しています。
福利厚生に関するよくある質問

最後に、福利厚生に関して多くの人が抱く疑問にお答えします。
中小企業でも福利厚生が良い会社はある?
はい、たくさんあります。
大手企業のように網羅的な制度はなくても、特定の分野に特化した手厚い福利厚生(例:非常に高い住宅手当、ユニークな休暇制度など)を持つ優良な中小企業は存在します。大切なのは、自分が何を重視するのかを明確にし、それに合った制度を持つ企業を探すことです。
住宅手当の平均相場はどのくらい?
厚生労働省の調査によると、住宅手当を支給している企業の平均支給額は月額1万7,800円程度です。ただし、これはあくまで平均であり、都心部の大手企業などでは月5万円~10万円といった高額な補助が出るケースもあります。
(参考:厚生労働省「令和2年就労条件総合調査」)
大企業とベンチャーの福利厚生の違いは?
一般的に、以下のような違いがあります。
- 大企業
安定性・網羅性が特徴です。住宅、家族、健康、財産形成など、あらゆる面をカバーする手厚い制度が整っています。誰にとっても一定水準以上の満足感が得やすいと言えます。 - ベンチャー企業
柔軟性・ユニークさが特徴です。全方位的な制度はありませんが、リモートワークやフレックスタイム、学習支援など、働き方や個人の成長に直結する制度が充実している傾向があります。
どちらが良いというわけではなく、あなたの価値観やライフプランに合っているかどうかが重要です。
まとめ

今回は、福利厚生が良い会社の見つけ方について、ランキングや具体的な制度を交えながら解説しました。
- 福利厚生には「法定福利」と「法定外福利」があり、差がつくのは「法定外福利」
- 住宅手当、休暇制度、学習支援などが人気の福利厚生
- 求人票の「年間休日120日以上」「完全週休2日制」はホワイト企業の目安
- メーカー、インフラ、IT、金融業界は福利厚生が手厚い傾向
- 面接で質問する際は「長く働きたい」という意欲を伝えるのがポイント
福利厚生は、あなたの生活の質や働きがいを大きく左右する大切な要素です。給与の額面だけでなく、福利厚生という「見えない報酬」にも目を向けることで、心から満足できる転職が実現できるはずです。
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