「派遣会社の営業って、求人で見かけるけど実際どんな仕事なんだろう?」
「『きつい』って噂を聞くけど、本当のところはどうなの?」
転職活動中に「派遣会社の営業」という職種を見つけ、具体的な仕事内容や働き方が気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、人材業界に興味を持つあなたのために、派遣会社営業のリアルな実態を徹底解説します。仕事の具体的な内容から、「きつい」と言われる理由、そしてそれを上回る大きなやりがい、気になる年収、キャリアパスまで、網羅的にご紹介します。
この記事を読めば、あなたが派遣会社の営業に向いているのか、そしてこの仕事でどんな未来を描けるのかが明確になるはずです。

派遣会社営業の具体的な仕事内容

派遣会社の営業の仕事は、単にモノを売る営業とは大きく異なります。主な役割は、「人材を求める企業」と「仕事を探す人(派遣スタッフ)」とを繋ぎ、双方をサポートすることです。
仕事内容は、大きく以下の3つに分けられます。
法人向け営業(クライアント開拓・管理)
企業の「人が足りない」「こんなスキルを持つ人材が欲しい」といった課題を解決するための営業活動です。
- 新規顧客の開拓
人手を必要としている企業に対し、電話やメール、時には直接訪問してアプローチし、人材派遣サービスの活用を提案します。企業の事業内容や課題を深くヒアリングし、最適な人材活用プランを考える、企業の経営課題に踏み込むコンサルティングのような側面もあります。 - 既存顧客の管理
すでにお取引のある企業を定期的に訪問し、就業中の派遣スタッフの状況を報告したり、新たな人材ニーズがないかを確認したりします。信頼関係を築き、長期的なパートナーとして企業の成長を支えることが重要です。
人材のマッチング(スタッフ面談・職場見学)
自社に登録している派遣スタッフの中から、企業のニーズに最も合う人材を選び出し、仕事を紹介する業務です。
- 派遣スタッフの募集・面談
仕事を探している求職者と面談し、これまでの経歴やスキル、希望の働き方(勤務地、時間、職種など)を詳しくヒアリングします。単なるスキルマッチングだけでなく、その人の価値観やキャリアプランに寄り添う姿勢が求められます。 - 職場見学の同行
紹介する企業へ派遣スタッフと一緒に訪問します。スタッフが安心して仕事内容や職場の雰囲気を確認できるようサポートし、企業とスタッフの最終的な意思確認を行います。
派遣スタッフの就業後フォローと労務管理
派遣スタッフが就業を開始してからのサポートも、営業担当の非常に重要な仕事です。
- 定期的なフォロー面談
就業先の職場へ定期的に足を運び、スタッフと面談します。「仕事には慣れましたか?」「人間関係で困っていることはありませんか?」といった声に耳を傾け、スタッフが安心して働き続けられる環境を整えます。 - 労務管理
契約書の作成・更新手続きや、勤怠管理、給与計算に関わる事務処理なども行います。コンプライアンスを守り、適切な雇用管理を行う責任があります。
派遣営業の1日の仕事の流れ

派遣営業の1日は、社内での業務と社外での活動が組み合わさっています。ここでは、ある営業担当の典型的な1日のスケジュール例をご紹介します。
午前:朝礼・メール確認・アポイント獲得
- 9:00 出社・朝礼
支店やチームで朝礼を行い、その日の各自のスケジュールや目標、共有事項などを確認します。 - 9:30 メールチェック・事務処理
派遣スタッフからの勤怠連絡や、クライアントからの急な依頼など、朝一番に届くメールに対応します。 - 10:30 架電・アポイント獲得
新規開拓や既存顧客へのフォローのため、電話でアポイントを取ります。午後の訪問準備もこの時間に行うことが多いです。
午後:顧客訪問・スタッフとの面談
- 12:00 ランチ
訪問先の近くでランチを済ませることが多いです。 - 13:00 既存クライアント訪問
契約更新の提案や、新しい人材ニーズのヒアリングを行います。就業中のスタッフの働きぶりを直接確認することもあります。 - 15:00 派遣スタッフとのフォロー面談
スタッフが働く企業へ訪問、または近くのカフェなどで面談を実施。仕事の悩みや今後のキャリアについて相談に乗ります。 - 16:30 新規クライアントとの商談
人材に関する課題をヒアリングし、派遣サービスのメリットや具体的な活用方法を提案します。
夕方以降:事務処理・報告書作成
- 18:00 帰社・事務処理
会社に戻り、その日の活動報告書や契約書、見積書などを作成します。また、新しく登録に来たスタッフの情報整理や、紹介する仕事の選定なども行います。 - 19:30 退社
明日の準備を終えて退社。繁忙期や急なトラブル対応で、退社時間が遅くなることもあります。
「きつい」「大変」と言われる理由

派遣会社の営業が「きつい」「大変」と言われるのには、この仕事特有の理由があります。転職を考える前に、ネガティブな側面も正直に理解しておきましょう。
営業ノルマ達成へのプレッシャー
多くの営業職と同様、派遣営業にも目標数値、いわゆる「ノルマ」が存在します。 新規契約数や派遣スタッフの稼働人数などが目標として設定されることが多く、常に数字に追われるプレッシャーを感じる場面は少なくありません。目標達成のために、粘り強いアプローチが求められます。
企業と派遣スタッフとの板挟み
これが派遣営業の最も「きつい」と言われる点かもしれません。
- 企業側:「もっと高いスキルを持つ人が欲しい」「急な欠員の補充を明日までにお願いしたい」
- スタッフ側:「契約にない業務はしたくない」「職場の人間関係に馴染めない」
このように、企業とスタッフの間に立ち、双方の要望や意見を調整する役割を担います。時には両者の意見が対立し、間に挟まれて精神的に疲弊してしまうことも。高度な調整力と精神的なタフさが求められる仕事です。
時間外のトラブルや相談への対応
派遣スタッフの「働く」をサポートするため、勤務時間外の対応が必要になるケースがあります。「子どもが熱を出して明日休みたい」「仕事でミスをしてしまった」といった緊急の連絡が、夜間や休日に来ることもゼロではありません。 公私の区別をつけにくいと感じる人もいるでしょう。
仕事のやりがいと魅力

大変な側面がある一方で、派遣会社の営業にはそれを上回る大きなやりがいと魅力があります。
人のキャリアと企業の成長に貢献できる
「あなたのおかげで良い仕事が見つかりました」という派遣スタッフからの感謝の言葉や、「良い人を紹介してくれて助かったよ」というクライアントからの言葉は、何物にも代えがたい喜びです。人の人生の岐路に関わり、キャリアを支援できること、そして企業の事業成長を人材面から支えられることは、この仕事最大のやりがいです。
多様な業界の知識と交渉スキルが身につく
製造業、IT、医療、オフィスワークなど、様々な業界の企業と取引をするため、自然と幅広い業界知識が身につきます。 また、立場の異なる企業とスタッフの間で利害を調整する経験を通じて、論理的な思考力や高度な交渉・調整スキルを実践的に磨くことができます。これらのスキルは、どんな業界でも通用するポータブルスキルとなります。
成果が給与に反映されやすい
多くの派遣会社では、個人の業績に応じてインセンティブ(報奨金)が支給される給与体系をとっています。自分の頑張りが目に見える形で給与に反映されるため、高いモチベーションを維持しやすい環境です。成果を正当に評価してほしいと考える人にとっては、大きな魅力と言えるでしょう。

派遣営業の年収と給与体系

仕事を選ぶ上で、年収は非常に重要な要素です。派遣営業の年収は、経験や年齢、そして個人の成果によって大きく変動します。
年代・経験別の平均年収
一般的な年収レンジは以下の通りです。
- 未経験・20代
年収350万円~450万円程度が相場です。まずは営業としての基礎を学び、実績を積んでいく段階です。 - 経験者・30代
年収450万円~600万円程度。リーダーやマネージャーなどの役職に就くと、700万円以上を目指すことも可能です。 - 管理職(支店長など)
年収800万円~1,000万円以上になることも珍しくありません。支店の業績全体に責任を持つ立場です。
(参考:doda 平均年収ランキング, 求人ボックス 給料ナビ)
インセンティブや賞与の仕組み
月々の給与は「基本給+インセンティブ」、賞与(ボーナス)は「基本給×〇ヶ月分+業績評価」という形が一般的です。インセンティブは、担当する派遣スタッフの稼働人数や新規契約数などに応じて算出されることが多く、成果を出すほど収入が増える仕組みになっています。
求められるスキルとキャリアパス

派遣営業として成功するためには、どのようなスキルが必要で、どのようなキャリアを歩めるのでしょうか。
必須スキル(対人折衝能力・調整力)
特別な資格は必要ありませんが、以下のスキルは不可欠です。
- コミュニケーション能力
企業の担当者や派遣スタッフなど、様々な人と円滑な関係を築くための基本スキルです。 - 対人折衝・調整能力
最も重要なスキルです。企業とスタッフ、双方の言い分を理解し、お互いが納得できる着地点を見つけ出す力が求められます。 - 目標達成意欲とストレス耐性
営業ノルマへのプレッシャーや、板挟みになるストレスに負けず、目標に向かって粘り強く行動できる力が必要です。
未経験からの転職は可能か
結論から言うと、未経験からでも十分に挑戦可能です。人材業界の経験よりも、営業や販売・接客など、人と接する仕事の経験が活かせます。何よりも「人の役に立ちたい」「成長意欲がある」といったポテンシャルや人柄が重視される傾向にあります。
入社後のキャリアステップ(リーダー・支店長)
一般的なキャリアパスとしては、以下のようなステップが考えられます。
- メンバー
まずは一人の営業担当として、クライアントと派遣スタッフを担当します。 - チームリーダー
数名のメンバーをまとめるリーダーとして、チームの目標達成を目指します。 - マネージャー・支店長
支店全体の運営や経営に責任を持つ立場です。
この他にも、法人営業を極めるスペシャリスト、スタッフの採用や教育を専門に行うキャリアコーディネーター、本社の人事や経営企画部門へ進む道など、多様なキャリアの可能性があります。
派遣営業に関するよくある質問

最後に、派遣営業の仕事に関してよく寄せられる質問にお答えします。
営業ノルマはどのくらい厳しい?
会社や支店の方針によって厳しさは異なります。 個人に厳しいノルマを課す会社もあれば、チーム全体で目標を追いかけるスタイルの会社もあります。面接の際に、評価制度や目標設定の仕方について具体的に質問してみることをおすすめします。
残業や休日出勤は多い?
繁忙期(年度末や企業の決算期など)や、急なトラブル対応で残業が発生することはあります。 しかし、近年は働き方改革の影響で、残業時間を減らす努力をしている企業がほとんどです。休日出勤は基本的にありませんが、スタッフからの緊急連絡に対応するために、社用携帯を所持することは多いです。
お気に入りのスタッフを贔屓することは?
「職業倫理上、特定のスタッフを不公平に扱う(贔屓する)ことは決して許されません。」
営業担当として、すべての派遣スタッフと信頼関係を築くことは非常に重要です。しかし、それはあくまで公平な立場でのサポートが前提です。特定のスタッフにだけ良い仕事を紹介したり、条件を優遇したりするような行為は、他のスタッフやクライアント企業からの信頼を失う原因となり、プロとしてあるまじき行為です。
まとめ

今回は、派遣会社の営業について、仕事内容から年収、やりがいまで詳しく解説しました。
- 仕事内容:企業と人をつなぐ「架け橋」となり、法人営業・人材マッチング・スタッフフォローを担う。
- きつい点:営業ノルマ、企業とスタッフの板挟み、時間外対応などがある。
- やりがい:人のキャリアと企業の成長に貢献でき、感謝される喜びが大きい。
- 年収:未経験でも350万円以上からスタートでき、成果次第で高収入を目指せる。
- 向いている人:人の役に立ちたい気持ちが強く、コミュニケーションと調整が得意な人。
派遣会社の営業は、確かに「きつい」と感じる場面もある仕事です。しかし、それ以上に「人の人生」と「企業の未来」に深く関われる、大きなやりがいと魅力のある仕事です。
この記事が、あなたのキャリア選択の助けになれば幸いです。もし少しでも興味が湧いたら、まずは転職エージェントに相談し、より詳しい情報を集めてみてはいかがでしょうか。
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